調書の概要
蒸し暑い雨の夜、長袖を着た雨宮は、あずまやで子どもの頃の話を始めた。五年生のとき関西から転校してきた小柄な音湖は、毎日の給食で自分で削った竹の箸をご飯の真ん中に突き立て、手を合わせていた——死者に供える飯の形だった。
彼はそれを「おはしさま」と呼んだ。毎日、野の竹で箸を削ってご飯に立てて願う。八十四日、一日も欠かさず、そして決しておはしさまに「見つかって」はいけない。そうすれば願いは叶う。やがて音湖は笑って「通知が来た」と言い、それからずっと長袖で左手をかばうようになった。
そして、彼女も願いをかけ始めた。夜ごと同じ大部屋の夢を見る。九人の子どもが眠り、壁には箸を縄で結んだ小さな梯子が掛かっている。ひとり死ぬたびに、箸が一本減る。
『九本目の箸』は約 50 分の怪異譚ミステリーゲーム。昭和の日本の田舎で、自分の手で箸を削り、ご飯に立て、願い、近づいてくる夢へと一歩ずつ踏み込んでいく。無料、ブラウザですぐ遊べる。







